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古紙回収ソリューション

王子マテリアは主原料である古紙の有効利用に積極的に取り組んでいます。

国内で利用される古紙は年々拡大を続けており、王子マテリアはその約15%を紙の原材料として使用する国内最大の古紙利用企業です。王子マテリアで製造する段ボール原紙、白板紙などの「板紙」は古紙を主原料として作られており、段ボール古紙、雑誌古紙、各種産業古紙の利用はもちろんのこと、かつては利用の難しかった「難処理古紙」や「機密書類」の有効利用にも積極的に取り組んでいます。

(板紙・段ボール)回収古紙の
リサイクルフロー

古紙は国内で発生する貴重な資源であり、製紙原料の安定確保のため、リサイクルは重要です。
繰り返し使うことで、資源の有効利用になり、また廃棄物として処理される紙の量を削減し、廃棄物減量化に貢献します。

産業古紙

印刷工場、製本所、紙器・製袋工場などから発生する裁ち落としや損紙。

難処理古紙

製紙原料には不向きとされていた、ラミネート加工紙等、紙と他の素材との複合材。産業古紙として発生したものを専用ラインで処理することにより使用可能になります。

機密書類

オフィスから発生する機密書類・保管書類を、溶解処理により情報を完全に抹消しリサイクルしています。

王子マテリアの主な古紙利用製品

段ボール原紙

段ボール原紙とは、段ボール表面の紙であるライナー原紙と、中の波形の中芯原紙の総称です。主原料は段ボール古紙、雑誌古紙などの古紙であり、リサイクルの優等生です。

段ボール原紙
白板紙

主にボックスティシュやお菓子の箱などに使われています。1枚の紙に見えますが、写真のように多層になっており、5層から多い場合には9層のパルプシートを重ねて抄きます。層毎に違う種類の古紙パルプ・フレッシュパルプを適宜使用し、古紙の有効利用に繋げています。

白板紙

王子マテリアの古紙利用

王子マテリアでは、王子グループ環境憲章の行動指針の一つである「紙のリサイクル推進」の下、集められた古紙を最大限有効活用しています。古紙の有効利用は、国内資源の節約、紙ごみの削減という観点からも、循環型社会を支える重要な柱の一つとなっています。王子マテリアで使用している主な古紙は下記の通りです。

古紙回収:家庭、官公庁、企業より回収
段ボール古紙

段ボール古紙
※段ボール原紙に使用されます。

雑誌古紙

雑誌古紙
※段ボール原紙・白板紙に使用されます。

古紙回収:家庭、官公庁、企業より回収
ケント

ケント
製本、印刷工場等より発生する一部色刷りのある
上質紙及びコート紙の残落

上白

上白
印刷していない白色上質紙の裁落及び損紙

白アート

白アート
製本、印刷工場等より発生する印刷されていない上質紙

難処理古紙の利用拡大に取り組んでいます。

禁忌品とされるビニール貼合品や金・銀紙等が含まれた難処理古紙の利用拡大に取り組んでいます。例えば佐賀工場に設置された難処理古紙専用の溶解設備「ニーディングパルパー」により再生された古紙パルプは、段ボール向けの中芯原紙などに使用されています。王子マテリアでは、リサイクル困難な古紙のサンプルも受け入れ、繰り返し再生に向けたテストを行うなど、より幅広い古紙の利用に向けた取り組みを続けています。

禁忌古紙

リサイクルできる紙製品

ニーディングパルパー投入口

ニーディングパルパー投入口

古紙分別で皆様にお願いしたいこと

古紙は住民参加型のリサイクル資源の典型であり、

  1. 1. 使い手(消費者・企業)の皆様による初期分別
  2. 2. 集め手(古紙問屋・回収業者)、作り手(製紙メーカー)のリサイクル向上に向けての取り組み
  3. 3. 三者の密接な連携

が欠かせません。消費者や企業の皆様には、分別基準に従って確実に分別を行っていただくよう、ご協力をお願い申し上げます。分別の基本は「分ければ資源、混ぜればゴミ」、「異物を混入させないこと」です。

回収に出す段階でなるべく分けて頂くとリサイクルがしやすくなります。回収を行っている自治体、団体の皆様にはこの基本を使い手の皆様に広めて、分別が不十分なものがあれば、改善して頂くよう、対応をお願いします。古紙の分別基準については、公益財団法人 古紙再生促進センターの古紙標準品質規格をご参照ください。但し、自治体によっては異なる場合がありますので、お住まいの自治体での分別方法をご確認ください。

古紙に混ぜないで!(禁忌品)

近年、雑がみ回収の拡大に伴い、紙に混入させてはいけない「禁忌品」などによる製紙トラブルが増えています。
分別の際には混合しないよう十分ご注意ください。特に王子マテリアでトラブルが多い禁忌品は、以下の通りです。

昇華転写紙
(捺染紙、アイロンプリント紙)

昇華転写インクを印刷した紙で、主に布などに絵柄や文字を転写するのに利用されます。アイロンなどで熱をかけてプリントできることから、商業用のほか、雑誌の付録や手芸用の商品として一般でも使用され、裏文字になっているのが主な特徴です。

最近では、カバンや靴などアジア圏からの輸入雑貨の中に緩衝材として昇華転写紙が詰められていることがよくあります。写真のように、インクの付いた昇華転写紙を白い紙で覆って、型崩れ防止に詰められていることが多いようです。

バッグの詰め物として使用されている昇華転写紙(ピンクの部分)バッグの詰め物として使用されている昇華転写紙(ピンクの部分)

昇華転写インクは常温で徐々に昇華する性質(気化・気体となる性質)があります。紙箱の材料となる白板紙の原料に混入した場合、数ヶ月後(パッケージ類をお客様に納入した後)に製品の表面に赤や青のシミが発生し、血やカビのように見えてしまいます。これではお客様の製品包装に使用できないため、回収し焼却処分しなければなりません。メーカーでもリサイクル前にチェックしていますが、現在の古紙処理技術では完全に除去できません。昇華転写紙を発見された際は必ずゴミとして廃棄してください。

昇華転写紙インクによるシミ
感熱発泡紙

点字や立体印刷などの凹凸に利用される膨らむ樹脂製発泡カプセルが塗布されている紙です。製造工程で加熱する際に原料中に混入した発泡カプセルが発泡するため、紙の表面に凹凸ができ、製品として出荷できません。

ロウ引き段ボール

パラフィンなどの薬品を塗布または浸みこませ耐水あるいは耐油加工を施した段ボールです。輸入された野菜・魚介類のパッケージに多く使用されています。これらが古紙に混入していると、製造した段ボールにシミが発生し、製品として出荷できません。

ロウ引きによるシミ
臭いのついた紙

線香、石鹸、洗剤の箱などの強い臭いがついた紙は、古紙処理工程で完全に脱臭することが困難な為、製品に臭いが残ってしまいます。

臭いのついた紙の例

※国内外での古紙利用の概況や、王子グループ全体の古紙利用の考え方などについては、王子ホールディングスのホームページをご参照ください。